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仮設住宅の団地にある集会所に設けられた期日前投票所で投票する住民ら=2024年10月21日午前9時39分、石川県輪島市町野町、金居達朗撮影
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 能登北部を襲った豪雨から1カ月の21日、元日の能登半島地震との「二重被災」が深刻な石川県輪島市町野町の仮設住宅団地に、衆院選の期日前投票の臨時投票所が開設された。午前9時の投票開始前から住民が集まり、次々と票を投じた。

 団地は268戸あり、自宅に住めなくなった被災者が暮らす。投票所は集会所に設置された。

 最初に訪れたのは団地に住む清水哲朗さん(56)。「何があっても復興を最優先にしてくれるところを選んだ」という。「土砂崩れが起きたら孤立してしまう。そんな国づくりはあり得ない」と支援を求める。

 近くの集落から投票に来た川端留美子さん(66)は「せっかくボランティアなどで支援が入ってくれているのに、選挙で被害が忘れられてしまうことが怖い」と話す。地震で傾いた自宅で夫の千年さん(71)と暮らす。隙間から風が入り、ここ最近の急な冷え込みがつらいという。「いつ何時また(山が)崩れるか分からない。冬の間だけでも違うところに移らせてもらえないものか」と語った。

 臨時投票所は22日まで。市選管によると、町野町の投票所は元々2カ所あったが、地震で施設が被災し、27日の投票日は輪島市立町野小学校の1カ所だけになる。(小崎瑶太)

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